遠山の里に古くから伝わる「霜月まつり」は、両部神道による湯立祭りで、清和天皇の貞観年中(859〜876)に宮廷で行われていた祭事を模した湯立が、ほぼ原形のままで伝承されていると言われています。
この祭りが文献に現れたのは、江戸後期の国学者、本居宣長の「玉勝間」(文化九年刊)です。祭事の移入についても諸説があり、必ずしも明確ではありません。
霜月まつりは、伊勢神宮の内宮の湯立の系統をひくもので、おそらく伊勢方面から伝来した神楽に、元和年間にこの地で滅びた遠山土佐守一族の霊を鎮める鎮魂の儀式が後から加えられた、という見方を研究者たちはしています。
いずれにしても遠山の霜月まつりは、古い伝統と古式豊かな祭事であり、昭和54年2 月3日、文化庁の重要無形民俗文化財に指定されました。

