農業改良普及員 中村さん南アルプス山麓の自然がはぐくむ豊かな香り。山の紅茶は緑茶と同じ葉のため渋みが少なく、ノンシュガーで何杯も飲めます。
中村さんは、まさに紅茶「うまいんだに」の生みの親!開発から販売まで勉強を重ね、全力で携わって来ました。
お茶農家のみなさんは、斜度45度の急傾斜で黙々と茶を育て、子や孫に自家製のお茶を送っています。かけがえのない村の宝を守るためにも、ぜひ一度遠山産紅茶をお試しください。
農業改良普及員 中村さん
当地方のお茶は赤石銘茶と呼ばれ、標高400〜1000mの急傾斜地に茶畑が広がります。遠山郷のお茶栽培は400年以上の歴史があり、日本で最も標高の高い、いわば「高原のお茶」なのです。
ぼくはある日、一掴みの生葉を自宅に置きっ放しにしてしまいました。数日後に見てみると、知らぬ間に発酵してとてもよい香り。当地でも紅茶ができる! とひらめいた一瞬でした。
当地方は高齢化のため、真夏の二番茶摘みを省略する農家が増えつつありました。夏場の作業を怠ると、一番茶の収穫にも影響します。悪循環を断ち切るために、二番茶で作る紅茶はもってこいの切り札だったのです。
静岡など先進地での実習を通じ、現存の緑茶生産ラインを利用して紅茶が加工できることを実証しました。長野県初の試作紅茶はイベントなどで意外なほどの好評。国産紅茶先進地への視察など、さらなる研究を重ねました。
紅茶輸出量で世界第1位のスリランカに渡り、トップクラスの専門家に試飲してもらったところ、「ベトナム紅茶に似ている」との評価。落第点でなかったことに自信を深め、本場高級紅茶のノウハウを掴むことができました。
地元産紅茶誕生のニュースは村中の関心を独占。「名前はもう決まったか?」「うちの畑の茶も使ってもらえるらか?」多くの人から声をかけられ、ジワジワと紅茶効果を実感しました。村の自慢がまた一つ増えたのです。
紅茶の名前を公募した結果、全国から4265通が集まりました。田中県知事や地元高校生のアイデアも取り入れて、「南アルプスの紅茶 うまいんだに」と決定。各種メディアに取り上げられ、3ヶ月で8000パックが売り切れました。
摘み取った二番茶をしおれさせ、酸素をたっぷり揉み込んでからスリランカ直伝の自然発酵。涼しい空気の中で約2ヶ月間熟成させます。そして100度の乾燥機で芳香をリーフに閉じ込め、丁寧に粉茶や茎を選別して完成です。