急な傾斜地を利用した茶畑栽培は、遠山谷特有の光景です。茶摘みの時期になると、あちこちで村人同士の助け合いながらの茶摘みの風景が見られます。
このようにして、赤石銘茶は毎年約6トンが生産されてきました。しかし、緑茶向きの一番茶は摘み取られても、その後に育つ二番茶は、肥料などになるだけで、ほとんど利用されていないのが現状でした。
みなみ信州農協と下伊那農業改良普及センター、南信濃村では、この二番茶をなんとか利用できないものかと、「下伊那産の紅茶」を、昨年より試作し、今年9月の発売に向けて準備をしてきました。
みなみ信州農協で、販売を担当する遠山美緒さんに、この「南アルプスの紅茶 うまいんだに」を紹介してもらいました
緑茶と紅茶の違いをご存じですか?摘みとった茶葉を、いったん蒸して、いくつかの行程を経てできたのが緑茶。茶葉を発酵させてから、作られるのが紅茶。そしてこの発酵を半分までで止めた段階で作られるのがウーロン茶。
そう、この三つは同じ茶葉からできています。でも緑茶に適した茶樹、紅茶に適した茶樹というのがあり、赤石銘茶が作られている「やぶきた種」は、日本の緑茶のほとんどを占める茶樹です。
かたや紅茶はアッサム種など、葉の大きな種類の茶樹が使われているのがほとんどです。
このほど私たちが開発している「新紅茶」は、普段は緑茶に利用されているやぶきた茶を使って作られたもの。
一番茶というのは、まだ太陽の光をあまり浴びていない状態で摘み取られます。これはアミノ酸などを多く含んでいて、緑茶独特のいい香りを楽しんでいただくには、一番茶がやはり適しています。
そしてお茶の葉は、太陽の光を浴びれば浴びるほどタンニンという渋みのもとが増えてくるので、夏になってから摘み取られる2番茶は紅茶向きと言えるのです。
紅茶と言えば、イギリスやインド産などが定番ですよね。でも安全性が確信できる国内産の紅茶が飲みたい・・と、ここ4・5年、国内産紅茶がブームになっているようです。
でもほとんどが紅茶用の茶樹を使っての『国内産紅茶』。
どうしてこの地方であえて紅茶向きでないやぶきたを使って紅茶を作ろうとしたかと言いますと、2番茶を摘むことによって、今まで放置されがちだった茶樹の手入れがなされ、緑茶自体の品質が良くなる効果があるんです。
消費者の方に、緑茶だけでなく紅茶も飲んでいただけるとなれば、栽培農家の方のやりがいにもつながりますよね。


