ジャガイモはペルー・アンデス高地付近が原産とされ、ヨーロッパを経由して16世紀末頃の長崎にもたらされたのが日本のジャガイモ史の始まりです。
ジャガイモという名はジャガタラ(ジャカルタ)に由来し、関東から中部地方にかけて分布していた名称ですが、現在では「馬鈴薯」と並ぶ一般名称となっています。
現在の飯田下伊那地方では、二度芋といえば特に遠山産のものを指すようですが、東北や近畿地方などでは一般にジャガイモのことを「二度芋」と呼んでいます。
その名の由来は、夏と秋の二度収穫できることから来ており、長崎などには「三度芋」の名もあるようです。けれど現在の遠山地方では春作のみで、後作にはソバを植える農家がほとんどです。
よって、村内の料理店や民宿などでは八月以降に二度芋を味わうことができます。
遠山の二度芋と一口に言っても、じつはいくつかの種類があります。
二度芋の主要な産地は上村の下栗ですが、この二度芋は山梨県の流れを汲むとのことから別名「甲斐芋」と呼ばれています。
高野長英の著作などによれば、ジャガイモ栽培は明和年間に甲斐国で広まり、その後信濃、飛騨、上野、武蔵などへ伝わったとされています。
下栗に伝わる「甲斐芋」は、日本にジャガイモが広まっていった時代の名残の品種なのかもしれません。
一方、南信濃村の八重河内などで作られている二度芋は「下り芋」と呼ばれ、遠州からヒョウ越峠を越えてやってきたといわれています。
八重河内の民宿このたでは、下り芋の料理が味わえます。
さらに、現在では白イモと赤イモの二系統が作られています。
甲斐芋と下り芋、白イモと赤イモ。それぞれの味の違いが分かれば、あなたはかなりの“トオヤマニア”です。

赤イモと白イモ (撮影:大井美知男氏)